不動産鑑定士試験(論文式試験)



◆試験概要
論述式で、民法・経済・会計・鑑定理論(理論)・鑑定理論(演習)の5科目です。

6割程度の得点で合格とされていますが、実際は相対評価に近いはずです。

合計の試験時間が3日連続で12時間と長丁場なので、集中力を維持し続けて、実力発揮するだけでも大変です。(体力・気力がある人は非常に有利とも言えます。)


◆合格率
概ね10%前後です。過去の推移などはここ参考にしてください。
ただし、この10%は、合格者/受験者数ではなく、合格者/完走者数のようです。
(試験を最後まで受けた人のうち10%が合格ということです。) 


◆難易度
論文試験は科目数が多いため、人によって大きく異なります。
これは、人によってスタートライン(既存の知識)がかなり違うため、必要な学習量も大きく異なるせいです。
経済学部や会計士・税理士受験生、民法学習経験がある人などは有利です。)

また、他の試験と違い、論文試験が短答試験と比較にならない難易度です。
ドラクエ3で例えると、短答合格:ロマリア到達、論文合格:ゾーマ撃破、です。
(会計士試験などでは、短答:バラモス撃破、論文:ゾーマ撃破くらい。)
わかりにくいですね。
「短答受かって、もうひと頑張り」というよりは「短答受かって、やっとスタートライン」という感覚が正しいと思います。


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これらは、すべての科目を取りこぼしのない水準(6割取れるレベル)まで持っていくことはなかなか難しいですが、科目ごとに見れば合格ライン確保のための知識を身につけるのは実はそこまで難しくありません

本当に難しいのは、実は、論述式特有の作業で、時間内に何を聞かれているか理解し、解答を構成し、解答を書ききる(演習では資料をめくり、電卓を叩き処理する)ことです。

知識水準が合格ラインに達しただけでは不十分で、しっかりとアウトプットする能力が求められるということです。
合格を見越した効率的な学習のためには、このアウトプットという短答との違いを理解した上での学習が必須です。

各科目の勉強方法など


科目別対策ページ

◆民法

◆経済

◆会計

◆鑑定理論(理論)

注意点


文章を読み書きすることに慣れていないと、(極端な話、漢字から覚えなければなりませんし)理解・暗記はしているけど合格しない、という状況が長続きする可能性が高いです。知識だけではなくアウトプット能力がいるということを意識して、与えられたものを覚えるだけでは不十分だということを理解しましょう。

論述が苦手な場合は、もし自分が採点者だった場合、どのような答案であれば、こいつわかってるな!と思うかを意識すると、向上しやすいはずです。論文の答案は自分が「理解している」ことを示すものです。細かいことを「知っている」ことを示すわけではありません。

特に、鑑定(理論)は問題が抽象的で答え方が難しいため、聞かれていることを把握したうえで、定義・答え・答えにいきつく流れ(理由)を書いた後余裕があれば関連する知識を示す(詳細な例や、関連するトピックスの紹介など)ということを覚えておきましょう。非常に細かい例まで書けたかどうかは大勢に影響はなく、解答として書くべき論点が足りているかがまず第一に重要だと思います。

合格を見据えた戦略


論文試験は、総合点で評価されます。自分の向き不向き(好き嫌い)から、苦手科目、得点源をしっかり把握してメリハリをつけましょう苦手科目は合格ライン保持を、得意科目は一歩リードを目標に勉強すれば効率的です。

例えば、過去問をやる際に、苦手科目であれば、5~6割とれたかどうか→取れない場合どこを補えばいいか(無理なものは無理なので、最悪諦めも肝心です。その場合どの科目でカバーするか)
得点源であれば、6~7割安定してとれるかどうか。取れなかった場合どの論点の理解が不足していたかなど意識することを心がけ、自分にあった戦略を構築することが重要です。

この試験の受験者は予備校受講がほとんどです。予備校受講をすると、とかく予備校のカリキュラム通りにやっていれば大丈夫という意識になりがちです。しかし、論文試験の合格率は10%であり、受験生のほとんどが予備校利用ということは、言う通りのことをこなすだけでは予備校を使おうが9割の人は不合格なのです。(単なる地頭勝負になります。)

どこか吸収できる部分はないか、どのようにすれば効率的か、どのような解答構成にすれば得点が上がるか、といったことを意識して勉強する人は、他と差をつけやすいのです。勉強中の意識がけ(=戦略+集中力)を重視しましょう。

また、苦手なものは苦手だし、ムリなものはムリなので、これを理解したうえでどのように得点を効率的に重ねていくかをきちんと考えると、勉強もはかどりやすいです。

撤退について


短答の時点で非常に苦戦し受かるのが精一杯だと感じる、論文をやっても暗記が進まない場合などでは、自分の動機等を見つめなおして論文合格を諦めるのも一つの手です。

鑑定業にこだわりがある場合は別ですが、就職のための資格と考えても、独立のための資格と考えても、コストパフォーマンスが最も高いわけではありません。また、科目数が多く、向き不向きが大きく出やすい試験です。

何も考えずにズルズルとやり続けるよりは、投資における早めの損切りと同じで、撤退して別のことに注力する方がより良い選択になる場合は多いはずです。

また、これ以上できないというほど勉強して、不合格時の論文試験の成績開示でB以上にならない場合や、3年でダメな場合は撤退する等、何らかのルール付けをした方が、勉強も効果的に進みます。

不動産鑑定士試験で勉強した知識は、他の資格に活かすこともできますし、お勧めの関連資格などを参考にしても良いと思います。


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